「結」の意味を掘り下げてみる!名付けには色んな解釈が出来るよ
「結」は男の子の名前にも使えますが、ここ数年、女の子の名付けに圧倒的に人気の漢字です。
明治安田生命の2018年の調査によるとこの年につけられた女の子の名前では…
- 1位:結月
- 2位:結愛
- 3位:結菜
と、トップ3を「結」入りの名前が占めている状況で、その人気が伺えますね。
1文字だけで名前にしても可愛らしいし、キレイな意味を持った言葉ですので、上記の3つ以外でも、他の文字と組み合わせることで更に多くの願いを付加できる便利な言葉でもあります。
これから少しずつ「結」が入った名前を取り上げていこうと思いますが、それに先駆けて「結」単体の意味を、その成り立ち、由来、名づけのポイントまで含めて掘り下げてチェックしてみました。その結果を一緒に見ていきましょう。
「結」の大まかなポイントをチェック
細かい部分を掘り下げて見ていくには、頭にアバウトでも情報を置いておくに越したことはありません。
まずは「結」という漢字についてザックリとお伝えしておきますね。
画数 :12画
音訓:ケツ ケチ むす(ぶ) ゆ(う) ゆ(わえる)
名乗り:かた ひとし むすぶ ゆい ゆう
意味
糸や紐をぎゅっと締めて繋ぐ。ひもをくくったむすび目。解けぬように固める。しっかりとむすびあわす。締めて1つにまとめる。物事をまとめて締めくくる。締めくくりとして植物が実をつける。人が契りをむすぶ。
ポイント
糸を結ぶだけでなく、努力が実を結ぶ、人と人を結んで繋ぐなど、様々なポジティブな意味がある字である。以前は1文字での「結」が特に人気だったが、最近は馴染み深い「ゆ」「ゆう」の読みを使った名前にも人気が集まる。女の子の名前の代表格だが、「ゆう」の響きを活かして男の子に使われることも増えてきている。
1文字で名前に使われる場合、「ゆい」が特に多く、「ゆう」とする場合もあります。
「ゆい」だと女の子に、「ゆう」でも女の子の方が今までのイメージから多くはありますが、男の子の名前として使われる様にもなってきています。
1字オンリーで名付ける場合、そこにこめる願いとしては主に…
- 人と人をつなぎ合わせられる、優しい人に育ってほしい
- 大切な人と結ばれて、幸せに生きていってほしい
- 努力に対して良い結果が得られてほしい
- 充実した人生を送り、最後まで幸せであってほしい
このあたりが考えやすそうですね。
どの捉え方でも、笑顔の溢れる人生を送ってもらえそう。そんな言葉だという印象を私は持っています。
成り立ちや由来はどうなってる?
この言葉の初義(最初に持った意味)は「糸や紐でくくる」です。そこから人と人を繋ぐとか、結ばれる、締めくくりになどの意味として発展していった形ですね。
語源を辿ると、いとへんの「糸」はその字のままですが、「吉」と組み合わせていく中で、こちらの文字が持つ意味は中々興味深いです。
「吉」には「満ちる」という使い方が出来ます。ある範囲の空間を想定し、その空間がいっぱいになっている状態が「満ちる」ということですが、これは隙間なく塞がり、詰まった状態でもあります。
これが糸と組み合わさることで、糸で隙間を無くす、つまり糸を結んで締めるという意味を持ってくるのです。
この語源を考えると、糸で結ばれた状態を「何かでいっぱいに」と想定することもでき、名前を愛と組み合わせると「愛でいっぱいに」、笑と組み合わせると「笑顔でいっぱいに」などの願いもこめられる。語源を追いかけるとそうした新たな方向性も見えてきますね。
名付けと言うのはシンプルな様で、考えを進めていくと色んな可能性を持つ。そこが非常に面白いポイントだと私は思っています。
名付けをする時に考えるポイントとは
「結」はとてもポジティブな意味を持つ言葉ですし、前述のとおり「いっぱいに」という解釈も出来ますので、意味的にはあらゆる文字と組み合わせやすい漢字です。
ただし、読みが多い故に、読み方が分かりづらくなってしまう場合もあることには一応頭に置いておくと良いでしょう。
例えば、「結菜(ゆな)」なのか「結菜(ゆいな)」なのかなどが代表的な例。羽生結弦さんの「結弦(ゆづる)」なども、私は初見では読みが分かりませんでした。
銀行や病院の窓口なんかでは多少困る場合もあるかもしれません(ただ、最近はそうした読みづらい名前も増えているので、読み仮名を予め診断書などに振ることがほとんどになっています)。
決していわゆるキラキラネームではありませんし、気にしすぎる必要はありませんけどね。
なお、これはある種どうしようもないことなのですが、真っ先に習うであろう「結(ケツ)」という音読みから、『小さな頃にはお尻とからかわれた』などといったこともあります(私の小学校でもありました…)。
本当に良い意味を持った名前ですので、もしも子供がそうした悩みを持ってしまったら、その意味をしっかりと伝えて元気づけてあげる。そんな意識を持って名前を好きになってもらいたいですね。
私が最初に「結」という文字に対して思い浮かんだのは「結婚」という言葉でした。
幸せのイメージの1つであり、誰かと誰かが結ばれる、そんな雰囲気を持った何とも素敵な印象があるなと。
1字で見ると、そもそもが「糸でむすぶ」ということでしたが、発展して考えていくと、そうした結婚の様な意味合いにも繋がっていきますね。
結ぶということが、色んな前向きな意味を作り上げていく。これが漢字の魅力であり、名付けをする時の楽しさである。そんな言葉でこの記事を締めくくりたいと思います。
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