「貴」の意味を掘り下げる!子供の名前に出てくる印象とは
「貴」は日常生活でも使うことの多い漢字で、それとなく意味を把握しているもの。私も知っているつもりでした。
ただ、よくよく考えてみると、「貴」1字だけだとピンと来ないんですよね。
「貴金属」と書くと、貴重な金属という感じでイメージしますが、よくよく考えると「貴重」は「重」が入ってこその熟語とか、そんなことを考え出すと頭がグルグル回り出します。
子供の名前に使うとなると、やはり1字での意味を正確に知っておくことは肝心だと思っていますし、その為に辞書とにらめっこするのは私の役割だと考えています。と言いますか、気になったらすぐに調べちゃうんですよね(笑)
そんなこんなで、今回は「貴」の意味を取り上げたいと思います。漢字の全体像、由来や成り立ちから連想される意味、名付けの際の注意点という流れで特集していきますので、一緒に見ていきましょう。
「貴」の全体像をチェック
画数 :12画
音訓:キ たか(い) たっと(い) とうと(い)
名乗り:あつ たか たかし たけ よし
意味
値打ちが高い。位が高くすぐれている。価値のあるものとして大切にする。大事である。相手に対する敬意を表す言葉。
ポイント
貴族や高貴など、身分の高さがまず浮かぶ言葉だが、子供への愛情を敬意を持って表せられるという側面も。例えば「貴高」という言葉には『君主から信頼され、愛されること』という意味がある。
1文字で名前にする場合は「たかし」が圧倒的に多いです。
2文字以上だとバリエーションは多いですが、「き」「たか」が特に人気で、ほとんどの場合はこの2つですね。これら以外だと、初見では読めなかったなんていう場合も増えそうです。
意味合いとしては「価値が高い」ことを中心として派生していく形でした。
冒頭部で出た「貴金属」は「価値の高い金属」、「貴重」だと、「価値が高く重要なもの」などといった形で組み合わされていると考えて良いでしょう。
子供の名前に使うとなると、例えば…
- 価値が高い人生を歩んでほしい
- 私達の大事な子供として幸せな人生を歩んでほしい
- 世の中で重要視される、地位の高い人になってほしい
- 敬意を持たれる人になってほしい
などなど、様々な意味合いを持たせることが出来ます。
場合によっては子供のプレッシャーに繋がることもありますが、この内、特に使われる理由になりやすいのが「私たちの大事な子供」というイメージですね。
こちらであれば、名前負けするなどの重圧を感じさせることはありません。
色んな想いをこめつつも、まず伝えるのはこの解釈にするというのが1つの大切なポイントかもしれませんね。
由来や成り立ちを掘り下げよう
貴は『臾(満ちる)+貝(財貨)』の組み合わせで成り立っている漢字です(形声文字)。
漢字の形と臾が違うじゃないかと思われるかもしれませんが、かつての字形が崩れて、今の形となっていると考えてください。
「臾」は「蕢」の古文の字体で、蕢は"あじか"や"もっこ"と呼ばれる、土を運ぶのに用いる竹かごを指します。この道具は、空のところを満たした後に、物を移して空にし、また物を満たして次々と運ぶ為のもの。
そうした機能から臾は「満たす」と「空っぽ」の両方のイメージを示す記号となりました。
貴ではこの内「満たす」が用いられ、『財貨がいっぱい満ちている情景』をイメージした図形になったと考えてください。
これが『中身がいっぱい満ちる』⇒『物の値打ちが高い』⇒『身分が高い』⇒『値打ちのあるものとして大事にする』⇒『大事な・大切な』と展開していき、様々な意味を持つようになった形です。
こうした由来を見ていくと、スタートは「財貨がいっぱい」というイメージですので、「お金に困らない様に」とか「お金持ちになりますように」みたいに、お金に関わる願いをこめるというのも1つの選択肢になってきそうですね。
名前に使うには良くないという意見も見かけましたが
Yahoo!知恵袋を見ていると、こんな書き込みを発見しました。
「貝」という文字=お金の意味、なのはご存じですよね。
(ex.「財」「「買」 「貯」etc.)で、「貴」の「貝」の上の「中」は、この字の場合、
真ん中の「中」ではなくて、元は背負うという意味の文様が変形したものです。
なので、「お金で苦労する」「お金を稼ぐのに大変な思いをする」という意味から出来た漢字です。
先程私が書いた成り立ちは漢字源で調べたものです。
「背負う」と「お金」の組み合わせであるという点には違和感を感じません。ただ、それを組み合わせたら「お金で苦労する」となるのは自分としてはどうにもピンと来ませんでした。
「〇〇を背負う」という慣用句はありますが、例えば「苦難を背負う」とネガティブなものであれば苦労に満ちた人生になりそうとは思います。しかし、お金というのは決してネガティブなものではありませんからね。
どちらかと言えば、「お金がいっぱいある」といった方がイメージしやすいかなと。
と言っても、漢字の成り立ちには諸説あるものですし、決して間違いという訳ではないでしょう。
ただ、ポジティブな解釈も出来るものを、敢えてネガティブに解釈する。こうなると本末転倒ですし、良い点に焦点を合わせて考えてしまって良いと私は考えています。
なお、この知恵袋の質問は、質問者さんが「貴という漢字は使ってはダメ」と言われての悩み相談なのですが、その理由として「おこがましい、貴族じゃないのだから」と伝えられたそうです。
こちらについては、『「貴」自体は価値のあるものに対して使う漢字らしいですよ。貴族はその一部に過ぎませんし、世間では「大切な子」をイメージして使うことも多いです。ですので、私は気にしません』など、漢字の意味を元に考えてしまえばオッケーでしょう。
名付けの際に注意点はあるの?
「貴」は左右対称で直線の多い字形です。
こうした漢字には、一般に曲線のある字と組み合わせると見た目の面ではフィットしやすいとされています。
例えば、「貴志」「康貴」「貴明」などのイメージですね。
確かに、「貴士」「貴一」とかだと、どことなくカッチリした印象が出てきます。と言っても、個人的には真面目な印象も出ると感じますので、それはそれで一つの見え方かなと考えています。
合わせて、読みが何通りも出てきて、性別が分かりづらくなるという点には注意が必要でしょう。
以前に記事として取り上げた名前だと「裕貴」という組み合わせ方。同じ組み合わせでも、男の子で「ひろたか・ゆたか・ひろき・ゆうき」、女の子で「ゆうき・ゆき」などが存在します。
いわゆる、男の子っぽい字や女の子っぽい字ではなく、両性によく使われる漢字ですので、パッと見では性別の判断がつかないですよね。
もう1字のイメージ次第ではあるのですが、組み合わせた結果どちらにも見える名前になった場合、相手が分からないかもという点を頭に置いて、あらかじめ性別と女の子を伝えようとするイメージを持っておくのがお勧めです。
名前に乗せる想いや願いは自由です。
ただ、悪い方の情報に目をやるのではなく、ポジティブに考えることが大切ですね。
どんな漢字でも悪くとらえようとすれば悪くなるものですから^^
と言っても、私視点だと今回の「貴」は両親の優しい想いがストレートに印象付けられる漢字だと思いますし、そもそも悪いところはないというイメージなんですけどね。
「貴」のつく名前もどんどん書くよ(追記式)
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