「葵」の意味を特集します!名前に秘められた希望や高貴さとは?
1文字だけでも、他の文字と組み合わせても使える名前は色々とありますが、その中でも「葵」はここ数年の代表格と言って良いでしょう。
名付けに使う漢字の人気ランキングには最近では必ず登場する文字で、元々は1字で女の子の名前に使われることが多かったのですが、最近では自由に他の漢字と組み合わせられることも増えてきています。
草かんむりの文字らしく、基本は植物名を表すこの言葉。掘り下げていくと一体どの様な意味があり、どの様に解釈が出来るのか。そこを今回も特集していきたいと思います。
「葵」の意味を、漢字の全体像、由来や成り立ち、名付けにおいてのポイントという流れでお伝えしていきますので、一緒に見ていくとしましょう。
「葵」の全体像
画数 :12画
音訓:キ あおい
名乗り:あお まもる
意味
草の名でアオイ科の多年草(フユアオイ・タチアオイ)。アオイ科の植物や、アオイに似た草につける言葉。
ポイント
近世以降は「葵」という名はタチアオイを意味する。この植物は夏に大きくて優雅な花を咲かせることから、その明るさや美しい佇まいが好まれ、特に女の子名でよく用いられる。
1文字で使う場合、男の子、女の子の両性で「あおい」、男の子のみだと「まもる」という読みが使われます。
2文字以上で組み合わせる際には、「あお」という響きを活かしたり、止め字として「き」と読むことも多いですね。
上のポイントにあるとおり、まずはタチアオイが頭に浮かぶ言葉であり、その花のイメージが名前に使う漢字として好まれる大きな理由です。
この写真の様に、明るい色の綺麗な花を咲かせます。何気ない道端の写真でも、こうして可愛くも美しくもある彩が目を楽しませてくれますね。
シンプルに、明るさや美しさ、可愛さを印象付ける意味で利用するのもオッケーですが、花言葉も中々興味深いです。
- 大望
- 野心
- 豊かな実り
- 気高く威厳に満ちた美
先の3つはタチアオイが沢山の実をつけることから、最後の「気高く威厳に満ちた美」は花の印象から作られたものだと言われています。
野心は少々名前向きではありませんが、他の3つは中々印象深い解釈ではないでしょうか。
ただ可愛いだけ、美しいだけじゃなく、心の内には大望や気高さを秘めている。そんな素敵な人物像が私の頭には浮かびました。
徳川家の家紋という印象も捨て置けない
タチアオイ以外では、徳川家の家紋(三つ葉葵)でも有名な言葉ですね。
この紋所は、アオイ科ではなく、ウマノスズクサ科のフタバアオイを図にしたものですが、フタバアオイの葉は通常は2枚であり、3枚のものは存在しないとされています。
この植物は京都にある加茂神社の霊草であり、神紋となって様々な神事に用いられていました。これだけでも霊験あらたかな高貴さが伺えますね。
元々は様々な武家が葵の入った家紋を使っていましたが、徳川家康が天下統一をすると、徳川の権威化を図る為か、本多家などの一部の例外を除き、葵紋の利用が禁じられました。
こうして、三つ葉葵が徳川幕府の象徴となっていったという訳です。
将軍家のみが使う家紋と考えると、これまた高貴さが際立ってきます。先ほどの花言葉の解釈と同じく、内に秘めた尊さや高潔さ、偉大さがある。そんな漢字だと考えるのが面白いと言えそうですね。
由来や成り立ちはどうなっている?
葵は「草+癸(ぐるぐる回る)」の2つの文字を組み合わせて作られた漢字です。
この成り立ちから、葉が太陽の方に向かって向きを変える植物を示すのに使われ、古代ではフユアオイがそうした植物だと考えられていました。
男性名で使われる「まもる」という読みがありましたが、これは「いつも太陽の方向を向いている」ということが、君主や目上の人への忠誠を表しているとされています。
また、「陽の当たる方向に」というと、希望や明るさの印象が強まっていきますが、成り立ちベースで考えると、その方面での解釈もしていける。
こうした面白い点も持った漢字だと思います。
名前に使う時のポイントとは
実にポジティブかつ高貴な印象を作れるのが「葵」の特徴ですが、組み合わせ方によっては読みが難しくなってしまうという点には注意が必要です。
例えば、男の子で「大葵(だいき)」「陽葵(はるき)」、女の子で「咲葵(さき)」「柚葵(ゆずき)」なども人気を集める名前なのですが、私個人の感覚で言えば、初見では中々読めないと感じてしまいます。
決して当て字ではありませんし、自然な読みですので気にしすぎる必要はありません。
ただ、名付け側の意識として、名前を記載する時に読みも口に出して伝えるだとか、そうした気配りがあると良さそうですね。
先にお伝えしたとおり、可愛さや美しさだけを表現するだけにも使える漢字ですが、それだけじゃ勿体ない。リサーチを通して、自分はそんな感想を持ちました。
花言葉や徳川家から伺える高貴さや、成り立ちから浮かび上がる希望に溢れたイメージ。
そうしたところも織り交ぜつつ、深みのある名前としていける面白さがある漢字であり、名付けの奥深さを体現している存在ですからね。
ぜひとも、色んな視点に目を向けつつ、自分ならではの想いを組み込んでいくことを意識してみてください^^
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