「菜」の意味を掘り下げます!可愛らしいだけの名前じゃない

2019年7月31日漢字の意味(単字),女の子の漢字

以前から根強い人気がありましたが、今でも変わらず女の子の止め字として数多く使われる漢字、それが「菜」です。

瞬間的には菜っ葉とか野菜をイメージしやすい漢字で、どこか柔らかい雰囲気はあるものの、そこにこめられている願いや想いがやや見えづらい漢字とも言えますよね。

でも、掘り下げて考えていくと、実に洗練された名付け漢字だということが見えてくる、素敵な文字ですよ。

今回はそんな「菜」の意味を、漢字のポイント、由来や成り立ち、名前に使う際の注意点という流れで特集していきます。1つ1つ順番に見ていきましょう。

Right Caption

確かに、私が子供の頃にも多く使われていたイメージがあるし、最近も見かけることが沢山あるね
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まずは「菜」の大まかなポイントから見ていこう


画数 :11画
音訓:サイ な 
名乗り:特になし
意味
葉・くきを食用とする草本類の総称。つみな。なっぱ。副食物(おかず)や料理。アブラナ科アブラナ属の一・二年草で、菜の花や菜種油で有名。
ポイント
「な」という響きの愛らしさと、黄色の花を咲かせる菜の花の愛らしさから、女の子の名付けでは特に人気のある文字。止め字だけでなく、先頭字、中間字として使われることも多い。ほぼ女の子に使われる文字だが、男の子の例もある。
参考書籍:漢字源 改訂第六版(Gakken) 赤ちゃんの名前ハッピー漢字辞典(西東社)

「さい」も読みの1つですが、名付けとして使われる読みは「」がほとんどです。

料理とか、野菜方向に掘り下げることも出来ますが、代表的なイメージは菜の花であり、その可愛らしさにあやかって使われることが多い漢字ですね。

菜の花の写真

写真の様に実に愛くるしい花を咲かせますし、食用としても優れもの。元和食の料理人としては春の味の代表格だと思っています。

と、この様に春の息吹を感じさせてくれる漢字ですが、植物名を名前に使う時に捨て置けないのが花言葉。

基本的には漢字から名付け側の感覚で自由に発想して良いものではあるのですが、その植物へのパブリックイメージが反映されているのが花言葉ですので、非常に参考にしやすいんですよね。

菜の花の花言葉は…

  • 快活な愛(複数の花がいつも仲良く寄り添っているさまから)
  • 競争(競い合って成長している様に見えるから)
  • 小さな幸せ(派手さのある花ではないけど、いつもそばにいてくれる)
  • 快活(鮮やかな黄色い花のイメージから)
  • 豊かさ(黄金色に輝く花が財宝やお金を連想させる)

この様に、ポジティブなものばかり。実に名前に向いた植物名だと言えそうです。

愛らしさだけでなく、元気の良さやライバルとの切磋琢磨など、人生において大切な要素があれこれ詰まっていますよね。どれかという感覚でも良いですし、欲張って全部をくらいの感覚でもオッケーですよ。

ちなみに、「菜」でこの植物を表現するのは日本だけで、由来を追いかけると更なる解釈も出来たりします

そのあたりをここからはお伝えしていきたいと思います。

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由来や成り立ちをちょっと詳しく

一番最初にこの「菜」が使われた際には、『食用になる草』という意味を持っていました。

■「草+采」の組み合わせ

草冠はそのまま草そのものを指します。そして「采」については、木の芽や草を摘み取る情景を表しています。

わざわざ摘み取る草と言えば、食べられるものですよね。そうした流れで、食用になる草という意味がつけられ、そこから野菜やおかず、料理といった意味に発展していった形です。

この成り立ちを考えると、食べられる野菜を収穫しているという点に重心が置かれていると言えるかなと自分は思います。

収穫と言えば大変な仕事であったり、コツコツと繰り返さないといけないもの。そこから、「努力の出来る人に」とか「物事を続けられる人に」なんていう願いをこめることも出来そうですね。

菜の花の花言葉の「競争」なんかにも多少なりとも掛かっていると感じます。由来的には直接繋がっていないのに、こうした繋がりを持つというのが漢字の面白さではないでしょうか^^

名付けの際に注意する点はあるの?

見た目もシャープですし、どんな文字とも組み合わせやすい漢字ですので、基本的には自由に使う感覚で良いでしょう。

ただ、熟語があれこれ存在しますので、その点には要注意ですね。その言葉が好きで使うなら良いですが、意図していなかった場合にはギャップが生まれてしまうこともあります。

例えば「かな」という響きが欲しくて「香菜」とつけたとしましょう。

香る菜と素敵な組み合わせではあるのですが、この言葉は最近大人気のパクチーを指します。もし将来、この名前を持った子がパクチー嫌いになったら…。良いと言えば良いのですが、どことなく不思議な印象が出てしまいますね。

それと、可愛らしいイメージを持たれやすい漢字ですので、男の子の名前に使う場合は、男らしさを出す漢字と組み合わせるとバランスが良くなりやすいです。

例えば「陽菜太(ひなた)」であれば、柔らかさがある中でも男性っぽさのある名前になります。この様に、どう組み合わせるかに意識を払ってみてください。


最初は「可愛らしさ」ばかりが頭に浮かんでいましたが、こうして掘り下げて考えてみると可愛らしさの他にも、努力とか豊かさとかイメージが広がる漢字ですね。

名付ける人によって、名前に持たせたい想いというのはそれぞれ違うもの。想定した形に近づけるには、こうして色んな解釈の出来る漢字というのは常に便利な存在です。

もちろん、一般的な印象である可愛らしさという点は、他の人がどう思うかという観点で決して無視できないものですが、自由に名前を楽しみながら考えていく。こうした感覚もとても大事ですよ~。

「菜」のつく名前もどんどん書くよ(追記式)


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