はげちゃびんの意味や由来を多角的に!意外とポジティブなハゲ言葉かもよ
気が付けばハゲ歴も10年を超えたのですが、最近甥っ子と会う度にこう呼ばれるんです。
「よ、はげちゃびん!」
愛情たっぷりな表現なので特にムカつくとかはないのですが、ハゲていることに慣れに慣れた自分を感じ、何とも言えない気持ちにはなりますね😑
と、私の日常にはびこっている「はげちゃびん」ですが、私自身も昔から何となくは使うものの、細かく意味を把握していた訳ではないんですよね。甥っ子に言葉の意味を伝えつつ絡んでいこうと思ったら全然出てこないという…。
これはいかんとガッツリと調べたら意外と面白かったのでシェアさせていただきたいと思います。
と言うことで、はげちゃびんの意味やその由来、またちょっとした雑学を一緒に見ていきましょう。
はげちゃびんの基本的な意味
何はともあれまずは辞書ですよね。最初に辞書からの引用を置かせていただきます。
はげ‐ちゃびん【禿茶瓶】
〔名〕 (禿頭を茶瓶にたとえたもの) はげあたま。また、その人。多くは、あざけっていう。*随筆・守貞漫稿(1837‐53)八「老夫の頭の赤く禿たるを、江戸にてやかんあたま、京坂にては、はげちゃびんなど云り」
…うん、意味はシンプルですね。
要は薄毛の我々をを馬鹿にする意図で茶瓶に例えた言葉という訳です。
これでバッチリ納得でいっ!!!
といきたいところですが、知っていますか?茶瓶とは何か。私は何となくイメージはできたものの、それそのものは思い浮かべられませんでした。
茶瓶を完全に把握できてこそはげちゃびんの意味は深く見えてくるもの。そんなことを考えつつ茶瓶について触れていきたいと思います。
茶瓶とは何ぞや?
さてさて、それでは茶瓶についてですが…
① 湯をわかし、茶を煎(せん)じ出すのに用いる、つるのついた銅器。薬鑵(やかん)。
※浮世草子・日本新永代蔵(1713)一「銅の茶瓶(チャビン)をかけて」
② 薬罐(やかん)に代用する陶磁器。土瓶。
※浮世草子・俗つれづれ(1695)二「茶瓶(チャビン)に面々天目を手にふれ」 〔頌古聯珠通集〕
このとおり、銅だったり陶磁器だったりに違いはありますが、その名のとおりお茶に使うお湯沸かし器を茶瓶と呼びます。
人によっては今の時代の"やかん"も茶瓶と表現することもあります。ちょっと写真を並べてみましょう。
色んな形の茶瓶が世の中にはありますが、上の2つなんかは見たことがあるのではないでしょうか?
急須じゃない?と思う人もいるかもですが、急須は「お湯をさして茶を出す道具」で、茶瓶の場合は火にかけても問題がないものということで微妙な違いがあります。
何にせよ取っ手のついた金属や陶磁器の"やかん"を茶瓶と呼ぶ。こう考えて問題ないでしょう。
茶瓶がハゲているのか、ハゲが茶瓶に見えるのか
それではなぜ茶瓶をハゲと例えるのかですが、長年使った茶瓶の表面が徐々に剥げてきているのか、はたまた茶瓶そのものがハゲに見えるのか。ここが言葉だけを見ると考えさせられるポイントですよね。
結論から言えば、茶瓶そのものがハゲに見えるが正しいと考えられます。
「はげちゃびん」には「茶瓶頭」という類語があります。
〘名〙 (光沢があったり、なめらかだったりして茶瓶に似ているところから) はげあたま。禿頭(とくとう)。薬罐(やかん)頭。はげちゃびん。ちゃびん。
※浄瑠璃・長町女腹切(1712頃)中「煮ゑばなの茶びんあたまをふり立て」
ちゃびん‐あたま【茶瓶頭】
《形状が茶瓶に似るところから》はげ頭。やかん頭。
このとおり、辞書によって光沢やなめらかさなのか、はたまた形なのかは違いますが(そこをはっきりしろという感じですがw)、茶瓶そのものをハゲに例えていますね。
はげちゃびんと茶瓶頭を別のものに考えることもできるかもしれません。しかしながら、言葉にする上でハゲをハゲさせても仕方がありません。
よほど蔑む意図があれば話は別ですが、基本的にはやはり茶瓶そのものがハゲに例えられていると考えて問題はないでしょう。
はげちゃびんの辞書での意味にて出てきた「老夫の頭の赤く禿たるを、江戸にてやかんあたま、京坂にては、はげちゃびんなど云り」。
こちらの一節は、要は「じじいの頭が赤く禿げあがっているのを江戸では"やかんあたま"、京都大阪では"はげちゃびんと言い"」ということで、"はげちゃびん"が"やかんあたま(やかんのような頭)"と同列に扱われていますよね。
江戸時代の随筆にてこう表現されているとなると、もはや茶瓶がハゲた状態を差し込む隙すらない。私はそう思ったりします。まあ、あまりに悲惨な言葉になるのを避けたいだけかもしれませんが😭
どびんちゃびんはげちゃびん
リサーチの流れでこんな動画を見つけました。
おじ様たちが楽しそうにゲームをしていますね。
これは「どびん・ちゃびん・はげちゃびん」という子供の遊びで、一部の地域ではカルト的な人気があるそうです。
ニコニコ大百科にまさかのルールがありましたのでシェアしておきましょう。
1. まずスタートする者を決め、その者が他の者を指しながらどびん!と宣言した時点でゲームが開始される。
2. 次に、指された者はまた別の者を指しながら(指し返しも可能)今度はちゃびん!と宣言する。
3. 次に指された者はまた別の者を指し、今度ははげちゃびん!と宣言する。
4. 次に指された者はまた別の者を指し、どびん!と宣言する。
これをテンポ良く繰り返し続けるだけである。宣言のテンポを崩すとアウトとなり1ミスをカウントされる。
また、宣言ミス(宣言しない、どびんと言わなければならないところを他の言葉を言う)や勘違い(自分が指されたと思い他の者を指す、自分は指されてないと思い誰も指さない)などもミス対象となる。
またローカルルールとして3回ミスで罰ゲームを実行しなくてはいけなくなる。
覚えやすいシンプルルールですね👍
私がやってしまうとどうしてもシュールに見えてしまいそうですが、甥っ子も含めて一度家族で遊んでみたいものです😑
ちなみに、かのハクション大魔王の呪文は「あらびん、どびん、はげちゃびん」ですが、このゲームとは特に関係ありません。
※他に「どびんちゃびんゆびちゃびん」という指遊びを解説してくれているブログも発見しました
と言うことで、茶瓶のような頭をした人のことを"はげちゃびん"と呼びます。
あれこれ調べた上で、昔からスーパーポジティブと言われる私としてはちょっと嬉しくなりました。
「はげ散らかす」とか、「逆ボタル」なんていうハゲの表現がありますが、それらと比べて茶瓶という存在にはポジティブな存在感があるからです。
丈夫ですし、モノによってはファッショナブルですし。
まあ、ハゲ歴10年を超えたからこそ言えるもので、1年目とかだったらただただ涙をこらえることになってたはずですけどね(笑)
ひとまず甥っ子がまた「よ、はげちゃびん!」と言ってきたら、茶瓶を見せつつその素晴らしさを延々と説きたいと思います👍
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