「郎」の意味を追いかけた!名前にすると色んな解釈が出来るかも
昔ながらのイメージがありつつも、最近でもよく名前に見かける漢字。それが「郎」だと思います。
『「二」の持つ意味や名付けのポイント!実は願いを含ませられるよ』の記事で少し触れたのですが、それこそ1500年ごろの記録に登場するレベルで、ある種の伝統的な名付け用漢字だと言えます。
また、2018年の明治安田生命の新生児の名前ランキングでは、男の子名に使われる漢字部門で堂々の8位。
過去から現在に至るまで、人気をキープし続けている漢字だと考えて良いでしょう。
「伝統的」というだけで名付けの理由になったりもするのですが、こうまで人気なのは、この漢字にこめられる願いや想いがハッキリと存在するというのも大きな理由のはず。
そうしたところを追求すべく、今回も「郎」の意味を漢字の全体像、由来や成り立ち、名付けの際のポイントという流れで特集していきたいと思います。
「郎」の全体像からチェックしよう
画数 :9画
音訓:ロウ
名乗り:お
意味
おとこ。清らかな男子のこと。妻が夫を呼ぶ言葉。また女性が恋人の男性を呼ぶ言葉。転じて男性を呼ぶ美称。君主に近待する官。
ポイント
元々は武家において、生まれた順に太郎、次郎、三郎と名付けられるのに使われた字であり、現在に至るまで男の子の止め字の代表格である。なお、「ロウ」読みで字違いの「朗」があるが、こちらは本来は月が明るいということを表す言葉である。
「朗」の方には「あきら」という読みがあり、1文字だけで使われることもありますが、「郎」は2文字以上の名前に使われ、読みとしては「ろう」が基本となっています。一応「和郎(かずお)」みたいな例もありはしますけどね。
土台となる意味は「男性」を指す形ですね。
ただし、上の枠内にもあるとおり、そこに「清らかな」とか「夫」という要素があるのがポイントになってきそうです。美称なんかも、立派な人にこそ使われるものですね。
イメージとして…
- 家庭を大切にする男性になってほしい
- 純真な心を持った男性になってほしい
- 立派な男性になってほしい
- 女性にとって魅力的な男性になってほしい
これらの願いを中心として、解釈していけそうな漢字だと思います。
それぞれ方向性は違いますが、そこは名付け側の気持ち次第。想いにあった方向に解釈していってオッケーです。
由来や成り立ちも掘り下げます
郎は『良+阝(おおざと)』の組み合わせで成り立っている言葉です。
まず、部首である阝は地名に使われます。成り立ちを遡ると「邑(くに、むら)」という漢字に行き着き、こちらは国や村を場所として示す以上に、「諸侯の土地」のイメージで使われていました。
良については、良い悪いの印象が強いかもしれませんが、この漢字においては「透き通る」という意味が使われています。液体であればそこまで見える、空間であれば途中に障害物が無い状態を指すのだそうですよ。
これらを合わせて最初に使われたのが『諸侯の住む官署の遮るものが無く、柱だけが立った見通しの良い通路』を示す為だと言われています。
それが転じてこの官署の官名となり(通路については「廊」を使う様になった)、そうした役人は当時は男性の身だったので、男子の美称となったとのことです。
こうした成り立ちを考えると、どことなく風通しの良い雰囲気が感じられますね。
先の解釈に追加して、「色んな人の意見を聞ける~」「上下関係をフラットにできる~」みたいなポイントも出していけそう。これこそ由来の掘り下げの面白い点ですね。
名付けの際に注意点はある?
冒頭部で当サイトのキャラクターの女の子(名追美ちゃん)が口にしていますが、現代では一郎、次郎、三郎だけじゃなく、バリエーションがかなり豊富になっています。
特に顕著なのが3文字の名前にした場合です(2文字だと「蓮郎」の様に、今風の漢字と組み合わせても昔ながらの雰囲気が出やすい)。
例えば…
- 琥太郎(こたろう)
- 隼太郎(しゅんたろう)
- 藍一郎(あいいちろう)
などは、どことなく伝統的なイメージも残しつつも、こじゃれた雰囲気が漂う様なパターンですね。
私自身は昔ながらのシンプルな名前も好きです。それこそ、「一」にも「二」にも良い意味がありますし、30代なのに今でも吉田拓郎さんのファンというのも龍です。
したがって、自分にとってはどちらも選択肢に入るのですが、3文字にするとバリエーションが広がるという点は、ぜひ頭に置いてみてください。
名前例なんかはこの記事を書きながら考えたのですが、こうして発想してみると「郎」は自分が思っていた以上にカッコいい名前になる漢字だというイメージに行き着きました。
意味としてもそうネガティブな部分はなく、良くない意味を連想しづらいと言えますよね。一部、男の子にこの漢字を使うと早死にすると言われたという悩みをネット上で見つけはしましたが、私の親戚の三郎さんはもう95歳です^^
願いもしっかりとこめつつ、色んな組み合わせを考えていける、名前向きの良い漢字である。これが私が「郎」に感じた最大の感想と言う言葉で、今回の記事を締めくくりたいと思いますm(_ _)m
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