「美」の意味を名前向きに特集します!悪い方向に考える必要はないよ
日常的に使われる漢字は名前にもよく使われますが、「美」は代表的な名前に使われる日用漢字と言って良いでしょう。
美しい人や物、心、おいしい食べ物などなど、ありとあらゆるものに対してこの漢字は組み合わせられます。
普段使う故に、意味もシンプルに捉えられますし、それで良いとも言えるのですが、こうした漢字こそ掘り下げると面白みが出て来るもの。そこを知っておくと、名付けにもより深みを加えられますよね。
そんなことを考えつつ、今回は「美」の意味を漢字の全体像、由来や成り立ち、名付けの際の注意点という流れで特集していきます。1つ1つ一緒に見ていくとしましょう~。
「美」の漢字の全体像からチェックしよう
画数 :9画
音訓:ビ ミ うつく(しい)
名乗り:きよし とみ はる ふみ みつ よ よし
意味
きれいな。格好が良い。物事が良い感じである。味が良い。
ポイント
左右対称で安定感があり、左右のはらいが伸びやかな文字。女性の美しさを表しやすく、昔から女の子の名付けでは圧倒的に人気を持っている。男性的な文字だったり、少々かための文字と合わせても、女性らしさを表現できる。男の子に使う場合は「よし」と読むことも。
読みとしては「み」が一番多いですね。女性の場合はほとんどがこれと言っても良いでしょう。(ただし「美子(よしこ)」はよく使われる)
1字の名前でこの漢字を使うことは稀で、2文字3文字と組み合わせて使う漢字です。
「美しい」というと非常に女性的なイメージが強く、女性らしさが瞬間的に浮かび上がってきますよね。
瞬間的には見た目の美しさが頭に浮かびやすいかもしれませんが、言葉としては「心のキレイさ」も含みますので、名前負けを気にしすぎることなく活用出来るのが嬉しいところです。
また、「格好良い」という、綺麗さから更に発展した解釈が出来るのも面白い点だと言っても良いでしょう。
名前の解釈としては…
- 様々な意味で美しい人になってほしい
このあたりが土台になってきそうです。
「様々な」が解釈の広がりとはなりますが、シンプルに使いやすい漢字の1つではないでしょうか。
と、使い方はシンプルなのが「美」ですが、由来はなかなか面白く、そこに深みがあります。
漢字の由来や成り立ちはどうなってる?
美は『羊+大』と、2つの文字を組み合わせて作られた漢字です。
一見、どこがどう「美」の意味に繋がっていくのかが見えづらいですが、この組み合わせで表すものは真っすぐに『体系が大きな羊』です。(羊がひつじの上半身、大が下半身を指しているという説もあり)
ヒツジは古代中国では食用としても、神事の献物にも使われる重要な動物でした。
その上で、神にささげるヒツジは大きくて立派でなければいけません。それが神々しさと相まって、大きなヒツジの見た目が「微妙で繊細なうつくしさ」という「美」の中心となる意味へと繋がっていったと言われています。
ヒツジ自体はおいしいものでもありますが、おいしいの「美」はあくまでも派生して出来たものであり、土台にはそうしたヒツジの見た目があります。
ただ美しいのではなく「神々しく美しい」と考えると、何とも特別な漢字に見えてきますね。
羊が献物として使われたことから、羊が含まれるあらゆる漢字のベースには「犠牲」の意味が含まれているという考え方があります。
そこから、「美」は「大いなる犠牲」となり、特に占いなどでは「神様への生贄」を表すといった解釈がされることもありますね。
これだけ見ると、子供の名前には向かない様にも見えてしまいますよね。
ただ、私の視点からすれば『大きくて立派だから』貴重な存在として生贄になるのであり、その理由となる部分こそにこの漢字の意味が詰まっている様に感じます。
犠牲への解釈自体が間違えているとは思いませんが、犠牲になるそもそもの理由が美であり、そこにはポジティブな意味しか残らない。特に名前に使う場合、そうしたベクトルで考えて何ひとつ問題ないのではないでしょうか。
なお、犠牲を敢えて好意的に解釈して「自分よりも、誰かの為に動ける人になってほしい」なんていうイメージも、それはそれで面白いと思ったりはします。
名付けの際の注意点はあるの?
ポイントにもあるとおり、文字が左右対称で安定感があり、左右に払いがある伸びやかさから、どんな漢字とも相性が良いとされています。
意味的にも、組み合わせる漢字に更なる意味を付加できる存在ですので、非常に使い勝手の良い文字だと言えますね。
したがって、女の子に使う場合は注意点らしい注意点はありません。
ただし、男の子に使う場合は別。
意味としては必ずしも女の子にとなる漢字ではありませんが、世間的なイメージがどうしても女の子側に傾いてしまいます。
したがって、男の子に用いる際には、性別を間違えられにくくする為にも、「美彦(よしひこ)」「勝美(かつみ)」「美翔(よしと)」など、男性らしい文字と組み合わせたいですね。
文字をよく見ると納得がいきますが、ヒツジから文字が生まれていたというのはリサーチ前は全くイメージしていませんでした。
「美」へのイメージも変わりましたが、個人的にはヒツジへのイメージが特に大きく変わりました。
私はラムとかマトン、ついでにジンギスカンが好きなのですが、これからはその美しさにも目が行きそうです(笑)
なお、今回あれこれ調べている中で、自分が特に伝えたいと思ったのが、途中に枠で囲った『「羊」の入る漢字は「犠牲」が元になっているという解釈はあるけれど』の部分です。
犠牲的な意味を含んでいたとしても、成り立ちをあれこれ考えると、その意味はポジティブな方向へと向かっていく。名付けにおいてはこうした感覚が非常に大切だと思っています。
占いで「美」が神への生贄とされると言っても、姓名判断などでそうした生贄が必ずしも悪い存在ではありません。
良い面にしっかりと目を向けて、名前について考えることを楽しんでいってくださいね!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません